道筋 ~それぞれの速さで~

 1学期も半ばを過ぎ、子どもたちは自分のクラスに愛着を持ち始め、さらにお友だちの輪も広がってきました。
保護者の方々におかれましては、「うちの子どもは日々仲良く遊んでいるかしら?」「園での活動はどんなことをしているのかしら?」など、ご家庭では見られない、子どもたちの姿が気になりはじめている時期ではないでしょうか。そういった声が聞かれるこの時期、園では保育自由参観を設けています。日々作成する様々な教師側の意図とねらいを活動内容に織りまぜながら、子どもたちの意欲や関心を高めていけるように、年少児は3日間、年中・年長児は4日間、子どもたちの様子を自由にご覧いただけます。その自由参観ですが、先日、年少クラスはカタツムリの製作を行いました。初めてのハサミの使い方などを学び、小さいけれど、個性豊かなカタツムリができあがったことだと思います。他の日には、今の時期にぴったりなアジサイの壁面製作も行いました。製作をするにあたって、園では少しだけ子どもたちを「不便」な環境にしています。なぞればきれいに仕上がるスティック状の糊は使わず、個体の糊を使って製作を行います。手でぬるぬるとした糊の感触を感じながら、必要な量を自分なりに考えながら使っていくのです。一人一人が糊の分量を受け止める感覚が違いますし、まだまだ修得途上にありますから、それぞれの子どもたちの製作する速さや完成度も違います。
 
浄土宗保育教会理事長の友松浩志先生の言葉をお借りしますと、「たとえば山の頂上にいこうとするとき、そこに向かう道筋はいろいろあって、こっちから上る人もいれば、あっちから上る人もいる。難しい崖を上る人もいれば、平たんな道を行く人もいる。みんなに頂上に向かってほしいけれども、その人にとって、難しいならいかなくてもいいし、行く日や行く道は違ってもいい。でもそれぞれが試行錯誤して、それぞれの頂上にたどりつこうよ」とおっしゃっていました。(浄土宗保育教会機関誌より)
 ご家庭の皆様と私たち保育者は幼稚園というチームの名のもとに、様々な場面の子どもたちの様子を、ともにあたたかいまなざしで見守り、時に支えていただければ幸いに思います。
【結城 由里子】(平成30年7月)

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